グロービスは、ビジネスマンが通うグロービス経営大学院を運営しています。
授業では豊富な企業事例の分析だけではなく、それらを実際のビジネスの現場でどう生かすといった意思決定を、ディスカッションを通じて学べるユニークな場所です。
今回は、そのグロービスが運営するオウンドメディア『知見録』です。
実践性のあるアメリカのMBA式教育の分野でトップを走るグロービス。
そのオウンドメディアのポイントを、解説していきます。
【目次】
1. グロービスのオウンドメディア『知見録』
2. 知見録のサイト構成分析
3. 魅力に感じたコンテンツ
3‐1. 1,000年続く京都あぶり餅屋「一文字屋和輔」の提供価値とマーケティング3.0
3‐2. キャリアの第2ラウンドは「燃えるテーマ」を-2度のIPOを成功させたSpeee COO田口政実氏のキャリアと経営観
4.まとめ
1. グロービスのオウンドメディア『知見録』
2. 知見録のサイト構成分析
『知見録』のサイトは、どのような構成になっているのでしょうか。そのサイト構成を、以下に記します。
◆HOME
◆知見録Premium
プレミアムと銘打っているだけあって、スペシャルゲストによる興味深いコンテンツが掲載されています。
・ワークマン急成長の秘密「しない経営」「データ経営」
・建築家・妹島和世に聞く「5つの人生哲学」
◆MBA/テクノベート
「思考」「戦略・マーケティング」「組織・リーダーシップ」「会計・財務」「グローバル」「創造・変革」「テクノベート」「時事・書籍・特集」で構成されています。
<思考>
・「三密」はどのように創り出した?-ロジカルシンキングの基礎となる「演繹・帰納」
・【特集|withコロナ時代 変わるビジネス】必要とされる個人の能力
・経営の将来を構想する「経営デザインシート」
<戦略・マーケティング>
・マーケティング3.0が目指す世界観とSDGs
・SDGsが加速させるサーキュラー・エコノミー
・SDGsは新市場を創出するフレームワーク
<組織・リーダーシップ>
・責任あるビジネスには人権リスクの把握が求められる
・ミドルマネジャーたちが考える「これからの会社のつくり方」-石坂産業×同志サーベイ
・日本のビジネスパーソンは勉強が足りない―コロナ後を見据えて学ぶべき(後編)
<会計・財務>
・建設仮勘定って何?
・島忠をめぐる買収合戦と株式市場の評価―ニトリとDCM
・日立建機の売却にみる日立の選択
<グローバル>
・グローバルを自分事にvol.4グローバル化の現実
・Google Doodleの舞台裏-人々を魅了するUXのためにアートを活用
・グローバルを自分事にvol.3 グローバル戦略かマルチドメスティック戦略か。自社の製品の特徴から考える
<創造・変革>
・薄っぺらな「好き」では、結局何も救えない。力をつけてから「好き」と言う
・100社のユニコーンを育てる「G-STARTUP」の魅力とは?ガラパゴス中平氏×事務局長に聞く
・ソーシャル・ベンチャーで内紛が起きやすい3つの理由
<テクノベート>
・人間と人工知能の境界線~映画に見る近未来vol.3
・人工知能は「暴走」するのか~映画に見る近未来vol.2
・人工知能は「人間関係」を築くことができるか~映画に見る近未来vol.1
<時事・書籍・特集>
・デジタル社会におけるマーケティング新潮流-『カスタマーサクセスとは何か』
・売上高営業利益率-イノベーションなくして劇的向上はない
・島忠をめぐる買収合戦と株式市場の評価―ニトリとDCM
◆G1/大学院セミナー
「G1サミット」「G1ベンチャーグ」「G1経営者会議」「G1新世代リーダー・サミット」「G1地域会議」「G1カレッジ」「G1フォーラム」「あすか会議」「100の行動」「大学院セミナー・その他」で構成されています。
<GIサミット>
・違和感やハプニングが新しいものを生み出す―「未来の音楽」を語ろう
・音楽は、もっとアートやファッションと結びつけられる!「初音ミク」「サカナクション」の裏側を語る
・広告がジャーナリズムを壊すのか?メディアが持っている3つの社会的価値とは~夏野剛×津田大介×瀬尾傑×関口和一×蜷川聡子
<GIベンチャー>
・「ジョブ型」or「メンバーシップ型」?「働きやすさ」or「働きがい」?withコロナ時代の働き方を議論する~青井浩×高島宏平×岡島悦子
・グローバルで共感を生むミッションが大事!海外で成功するためのメルカリ、スマートニュースの組織づくりとは?小泉文明×鈴木健×高宮慎一
・テクノロジーが変えたメディア・コンテンツ~青木貴博×大坂武史×坂本大典×高島宗一郎
※関連コンテンツ
・スマートニュース100憶円調達の裏側、キーマン3氏が語る決意と勝算
<GI経営者会議>
・顧客との関係性が「アップデート」していくサブスクビジネス成功の鍵とは
・大企業からイノベーションは生まれない。ベンチャーから規模は生まれない。オープンイノベーションをサステイナブルにするには?
・マイナリティ出資、関係会社化、買収、アクセラレータ、VC出資…それぞれの「オープンイノベーション」の手法
◆キャリア/志
・自分のテーマを持っていれば、200歳までやることがある
・「好きなことで起業」が私たちの強み-aligato socksができるまで
・日本人としてのアイデンティティを失わずに世界で戦う
3. 魅力に感じたコンテンツ
個人的に面白かった記事を、以下紹介します。
3-1. 1,000年続く京都あぶり餅屋「一文字屋和輔」の提供価値とマーケティング3.0
日本には、100年以上続く老舗企業が33,000社あるそうです。(※2019年1月8日帝国データバンク調べ)
戦争やバブル崩壊、リーマン・ショック、そして今回のコロナといった多くの困難を乗り越える強さとは、一体何でしょうか。そこには、企業経営の一番重要なエッセンスが詰まっているはずです。
この一文字屋和輔は、平安時代から続くという驚異的な老舗企業で、しかもあぶり餅一品だけで勝負しています。「疫病除けの神社のお参り帰りに食す」という独自のポジショニングがユニークで興味深いです。
3-2. キャリアの第2ラウンドは「燃えるテーマ」を-2度のIPOを成功させたSpeee COO田口政実氏のキャリアと経営観
今、東大や京大、早慶といった日本の学生のトップ層には、外資コンサル企業が人気だそうです。そこにはグローバル経済の急速な変化とそれに伴う終身雇用の崩壊、そして日本の保守的大企業の体質に対する危機意識があると思います。
高度な技術人材の採用とIT技術とマーケティングで世界的プラットフォーマーとして君臨するGAFAをはじめ、自動車業界のゲームチェンジャーとしての存在感を見せるテスラなど、その全てが顧客ファースト主義であり、かつIT技術を最大限生かしています。
そういった急変する社会を、どう生きていくか。そのテーマに対する一つの解が、IPOだと思います。
当然、上場ゴールでは駄目ですが、持続可能なビジネスモデルを構築し、そこに自分の“好き”な要素を入れてIPOすることはビジネスの最高の醍醐味でしょう。
二度のIPOを成功させた田口氏のコメントは、日本人の生き方の一つの指針になりうると思います。
4. まとめ
今の日本の大学教育は、IT技術教育が圧倒的に不足しており、またかつては教育機能を負担していた大企業もグローバル競争の激化と終身雇用制の崩壊で、じっくり教育する余裕がなくなりつつあります。
そういった現在の日本の社会環境において、グロービスが提供するオウンドメディア「知見録」は、インターネットがつながる環境であればどこでも最新ビジネス情報をキャッチアップできる強力なビジネスツールといえるでしょう。