今やコンテンツは、Webの評価が決まる一番重要な要素です。
「コンテンツ イズ キング」 という言葉があります。
「Webサイトにとって、コンテンツこそが一番重要な要素である」という意味です。
それほど重要なコンテンツですが、なぜ重視されるようになったのか?その中身とは?
そのポイントを、具体的に解説していきます。
1. コンテンツとは
1‐1. コンテンツの意味
コンテンツ(contents)とは、そのまま直訳すると「中身」のことです。デジタルコンテンツ、映像コンテンツ、商業コンテンツなど、複合語がたくさんあります。
ただWebマーケティングの領域では「コンテンツ イズ キング」という言葉がある通り、「ユーザーが満足できる情報」を指すことが多いです。Googleは、コンテンツをクオリティを評価する「信頼性」「オリジナリティ」や「裏付け性」といった数多くの指標を設定しています。
1-2. コンテンツの歴史
もともとコンピュータの分野では、コンピュータ機器自体をハードウェア、プログラムをソフトウェアと呼んでいました。その後コンテンツという言葉が登場し始めたのは、1990年代前半のアメリカのクリントン大統領による「情報スーパーハイウェイ構想」の時代からです。いわゆる「windows95ブーム」や「インターネットブーム」到来の時代です。
その後日本では、2004年に「コンテンツ促進法」が制定されました。法律ができた背景には、技術をベースにした特許や文化芸術の著作物といった知的財産という概念がありました。同時にクールジャパン運動も台頭し、コンテンツ振興が人しか資源のない日本の国家戦略の一部として定着していったのです。
1‐3. コンテンツの種類
コンテンツには、様々な種類があります。以下、その種類ごとに解説します。
1-3-1. モバイルコンテンツ
スマホやタブレットで利用できる、一番身近なコンテンツです。無料コンテンツから有料コンテンツまで、幅広く利用されています。
・着メロ
・着うた
・デコメ
・スマホゲーム
・電子書籍
・チャットアプリ
・写真加工アプリ
1-3-2. Webコンテンツ
Webコンテンツは、Webサイト上にのっている情報全般のことを指します。Webコンテンツのスタイルは、「単発型」「連載型」「シーズンもの」「辞書型」「インタビュー型」などがあります。
・随時更新される最新ニュース情報
・旅行情報
・価格比較サイト
・ウィキペディア
・経営者紹介サイト
1-3-3. デジタルコンテンツ
創造的な知的コンテンツを、デジタルコンテンツを呼び、そういった商品を扱う業界のことをコンテンツ産業といいます。
・映画
・テレビ番組
・音楽
・アニメ
・漫画
・キャラクター
2. Webマーケティングにおける質の高いコンテンツとは
現在のGoogle検索順位ランキングは、「検索キーワードごとのユーザー支持ランキング」と同義語といっていいでしょう。
つまり上位にランキングしているコンテンツとは、それを読んだユーザーが「掲載されている情報は、わかりやすく理解が深まった」「この情報は日常生活に役に立った」「今まで知らなかった新しい発見があった」「この情報を知ったので、今すぐに行動に移したい」といった感想を抱くほどのインパクトを与えた結果なのです。
Googleも当然、競争に晒されています。そのため、「ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズに一致するコンテンツを優先的に表示することで満足度を提供する」検索エンジンを目指しています。
Googleは、ユーザーのコンテンツに対する支持の度合いを「サイト滞在時間」「離脱率」「お気に入り登録」といった様々な指標で計測しています。
では、良質なコンテンツとは一体どういうものなのでしょうか。
基本的にWebマーケティングにおける質の高いコンテンツとは、以下のようなものです。
・ユーザーが検索したキーワードの情報に関して100%満足させ、かつ何らかの生活の向上をもたらすもの
Googleが良質なコンテンツについての定義を発表しているものが、非常に参考になります。
【Googleがコンテンツを良質と判断するポイント】
※2012年5月6日「Google Webmaster Central Blog」で公開されたガイドラインより
・コンテンツの内容は信頼できるか
・コンテンツは、その内容について専門家か詳しい人が書いたものか?内容が浅いものではないか
・サイト内に、キーワードがわずかに異なるだけの類似の記事や完全に重複する記事が存在しないか
・あなたは、このサイトに安心してクレジットカード番号を入力できるか
・コンテンツに、スペルミスや文体ミス、事実誤認はないか
・コンテンツは、検索エンジンの上位表示のためではなく、ユーザーのために作ったものか
・内容はオリジナルか、独自のコンテンツや情報、レポート、研究、分析などを提供しているか
・検索結果に出てくる他のページと比べて、はっきりした価値を提供しているか
・コンテンツは、きちんと品質管理がなされているか
・記事は、物事の両面を捉えた内容になっているか
・このサイトは、そのトピックスに関して第一人者(オーソリティー/権威者)と認識されているか
・コンテンツが、外注もしくは一括生成のように手掛けられていない状態ではないか
・コンテンツは、しっかり編集されたものか。それとも、急いで雑に作成されたものではないか
・健康に関するページであれば、その内容は本当に信頼できるものか
・そのサイトの名前を聞いた時に、信頼できるソースとして認識できるか
・その記事が取り上げているトピックについて、全体像が分かる説明がなされているか
・その記事は、当たり前の内容ではなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか
・ブックマークしたり、友人と共有したり、友人に勧めたくなるページか
・記事のメインコンテンツを邪魔する過剰な広告はないか
・記事が、雑誌や書籍として読めるようなクオリティーか
・記事が短く、内容が薄い、または役立つ具体的な内容がないものではないか
・ページの細部まで、十分な配慮と注意が払われているか
・このコンテンツを読んだユーザーが、不満を言わないか
3. 2021年から追加されるGoogleの新指標「Core Web Vitals」
Googleが発表した新指標、「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」。
2021年以降Googleのランキング要素に加わる予定で、ユーザー体験の快適性向上を目的とした特に重要とされる3つの指標のことです。
簡単にいうと、PCであろうが、スマホであろうが、すぐに画面が表示されてスイスイと快適に操作ができるWebにしましょうということです。
今回追加される新しい3指標と従来の「ページ体験」指標を合わせてわかりやすく、以下に記します。
3-1. LCP(Largest Contentful Paint)/ページ表示速度
「いかにページが早く表示されるか」を測る指標です。この指標の理想は、読み込み開始から2.5秒以内です。ユーザーがそのWebサイトに飛んだ時、画像が重かったり、ソースコードがシンプルではない場合、表示速度が遅くなる場合があります。そういった現象は、改善する必要があります。
3-2. FID(First Input Delay)/レスポンスの速さ
「ユーザーの動作に対するレスポンスの速さ」を測る指標です。例えば、ユーザーがWebサイトのページ内のボタンをクリックした時、その操作に反応するまでにどれくらいの時間がかかるかというものです。理想は、1/100秒以下とされています。
3-3. CLS(Cumulative Layout Shift)/レイアウトのズレ
「レイアウトのズレなどの視覚の安定性」を測る指標です。レイアウトのズレは、0.1未満が理想とされています。
またこれまでの「ユーザー体験」に関する指標も重要ですので、以下に記します。
1. モバイルフレンドリー/Webサイトがスマートフォン対応になっているか
2. セーフブラウジング/ユーザーにとって、悪意があったり、虚偽のコンテンツはないか
3. HTTPS/WebサイトがSSL対応(安全な接続で提供)されているか
4. インタースティシャル/コンテンツ全体を覆う広告など、サイト閲覧の邪魔になるものがないか
4. まとめ
コンテンツには様々な種類がありますが、ユーザーの支持を得るためにはやはり「情報性」「オリジナリティ」「世の中に対する貢献性」など、いくつかのポイントがあります。
良いコンテンツを作るためには、過去の優れたコンテンツの研究とスマートフォンに代表されるデバイスとの相性、そして著作権等の権利関係の視点が重要です。